
プラネタリーヘルスのための流域再生人材育成コース
1. コースの目的と基本概念
本コースは、プラネタリーヘルスを現場で学びたい人のためのフィールドでの実践的プログラムです。
流域動態感受性を持って、流域を一つの動的な生命システムと捉え、人の健康、コミュニティ、地域経済、自然環境の健全性を統合的に捉え、再生する「プラネタリーヘルスのための流域再生人材(RYUIKI Regenerator for Planetary Health)」を育成するものです。
”流域とは、ただの水の流れにあらず。
天に地に地表に地下に、あらゆる状態に自在に変幻する水と
それを育む気候風土、多様な生態系、そしてその中で生きる人の営みを含めた
常に動的に流れ続けている全体性です。”
私たちのグループは、流域(Ryuiki)を、単に集水域単位としての”watershed”と訳すのではなく、人と自然環境が相互作用し合う地理ー気候ー文化ー経済ー生態学的な概念と再定義しました。
Ryuikiとは、ジオスケールでの地形生成から、土地に伝承される文化・信仰・神話、現在にいたる人の暮らしや経済まで多層的な時空間が積み重なる場(フィールド)の最小単位と捉え、その動態を感受するための身体性や視座を「流域動態感受性/RYUIKI Awareness」と呼んでいます。
流域再生人材 RYUIKI Regenerator
- 流域動態感受性を持って、流域(RYUIKI)を一つの動的な生命システムとして捉え、人のウェルビーイング、コミュニティ、地域経済、自然環境の健全な相互関係を統合的に捉え、再生型の介入を実践することができる人材。
本コースが目指すのは、単一分野の専門家ではなく、それぞれの専門分野の知識や経験を活かしながら、総合力でプラネタリーヘルスを実現する人材です。
江府町をはじめとした流域の自治体とも連携しながら、「流域を再生する」という新しい生き方、働き方を実現していていきます。
プラネタリーヘルスの実践の出発の地である江府町に二地域居住や地域おこし協力隊、移住などで関わって頂ける方も大歓迎です。

プラネタリー・ドクター: 流域を「診断し、処方を出す」
医師が、人を観察、診断し、最適な処方をするのと同様に、外的環境を観察、診断し、最適な処方ができる。
人の心身、社会、経済、生態系、地球全体をシステム思考で統合的に捉えながら、それらの健康状態を総合的に診断した上で、再生に向けた根本的な対処方針や介入戦略を立案・処方できる。
- 観察力・分析力
- 統合的な視座
• プラネタリー・ナース: 流域に「寄り添い、回復を支える」
流域における人・コミュニティ・自然の状態を継続的に観察し、再生プロセスが健全に進むよう、深い感受性を持って現場に寄り添い、適切なケア、調整、支援を行うことができる。
「ケアテイカー」としての役割。
- 現場での実践力
- きめ細かなケア
医、農、経済、環境を再統合し、理論と身体知、そして実践を積み重ねることで、流域の未来を「診断し、回復を支える」ことのできる真の実践者を共に目指します。
チームDRAGON:流域を再生するチーム
大山-日野川流域で流域を再生し、プラネタリーヘルスを実践するチーム「チームDRAGON」を結成します。
それぞれの分野で培ってきた、スキルや経験を活かしながら、総合力で流域を再生していきます。
桐村里紗(講師)
医師
天籟株式会社代表取締役
プラネタリーヘルス・イニシアティブ代表理事
2022年から鳥取県江府町と連携協定を結び、同町に拠点を移し、プラネタリーヘルスの実践をスタートした。プラネタリー・ドクターズを結成。
渡部裕美子(現場のナーシング担当)

看護師
奥大山とわたなべ代表
江府町地域おこし協力隊
2025年の田んぼDAOをきっかけに、8月より江府町に移住。有機農業と環境教育の経験を活かし、プラネタリーヘルスの実践をバリバリ進める。
プラネタリー・ナースを結成。


佐伯廉人(自然栽培指導)
シゼンタイ代表
「自然農法」を確立した福岡正信氏と「奇跡のリンゴ」の木村秋則氏に師事を受け、自然栽培の先導者として活躍。農福連携自然栽培パーティー」を立ち上げ、日本全国100箇所、2,000名の仲間たちに栽培指導を行っている。

石黒伸(環境再生指導)
アクアメディカルクリニック院長/環境再生医
腎臓移植や認知症・神経難病患者の在宅治療、最先端の栄養療法などの多様な経験と洞察力を活かし、現在は関西を拠点に、環境再生医として、古民家や周辺環境の再生を実践、指導するプラネタリーヘルス・ドクターズの一味。
大原徹(流域身体化ガイド)
Bisui Daisen代表理事
山陰の様々なフィールドを20年以上にわたり体験、発信し表現する傍ら海川山から身体知性等して自然のシステムを学ぶプラネタリーヘルスツーリズム・流域身体化プログラムを中心に大山流域から根の国(出雲の國)のエリアの本質をさぐる

3. カリキュラムの三層構造
本コースのカリキュラムは、知識、身体知、実践を統合するための三層構造です。
1.理論編:視座の獲得
実践の基礎となる概念的視座を確立するための理論学習。
- 主題: プラネタリーヘルス概論
- 背景、思想、国際動向の理解
- 人の健康、社会構造、自然環境を分断せず統合的に理解する視座の獲得
- 医療、農業、経済、環境の再統合
- 流域を単位とした新しい健康概念の学習
- 到達目標: プラネタリーヘルスの基本概念を理解すること。
2.実践編:再生活動の実践


理論を学びながら、具体的な再生技術を現場で実践する。
森林〜水路〜田んぼを一連で捉え、生態系をより豊かにする手入れができる。
- 実践領域①:森林・水源再生
- 森林、水路、水源の状態観察・診断(見立て)
- 再生のための具体的な手当(再生)
- 実践領域②:生態系を活かす再生型農業
- 自然栽培稲作を中核とし、育苗から稲刈りまでを一貫して実践
- 二毛作による循環的な土地利用
- 農地を拡張生態系として構築する「協生農法」の実践
- 農業を「生産」活動ではなく、流域の中での「生態系再生」のプロセスとして捉え直す
- 実践領域③:流域の風土食
- 流域の自然、文化、季節性を反映した食文化を学ぶ
- 食を通じて、人の身体と流域との繋がりを再認識する
3.身体知編:流域動態感受性を高める流域身体化プログラム



知識と身体的な感覚知を統合し、身体化するための3日間の実践フィールドプログラム(詳細)。
- 主題: 流域身体化プログラム
- 流域を「動的な生命システム」として捉える
- 内的流域と外的流域を統合する
- 座学で得た知識と身体的な感覚知を統合する
- 到達目標:
- 流域動態感受性を高める
- 流域を一体として捉える視座の獲得
2026年4月〜10月開催 鳥取県大山流域募集
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