超学的実証研究

プラネタリーヘルスを実現するためには、1つの分野だけのアプローチでは不可能です。
また、分野の壁を超えた学際的研究とアカデミアの枠組みを超えた超学的な研究を基に、政策立案や民間における社会実装にスピーディーに結びつけていくことが必要です。
特に、2024年に開かれた国際的な組織プラネタリーヘルス・アライアンスによるマレーシアにおける国際大会において、各セクターの連携によるロードマップと待ったなしのアクションプランが提案されました。
こうした国際的な流れを踏まえ、超学的連携をもとに、エビデンスからアクションへとスピード感をもって推し進めていきます。

近代科学を超える統合科学

これまで、近代科学に立脚した社会構築によって、社会は正しく進んできたでしょうか？
人類の科学はまだまだ未熟であり、世界の全体性や中心的な原理には到達できていないにも関わらず、私たちは近代科学を信仰し、近代科学によって証明不可能な領域を無視し、世界の全体性とそのダイナミズムが失われてきました。
近代科学は、中世ヨーロッパから始まりましたが、その基礎には、キリスト教の聖書を真理とする神学があります。人と自然を切り分け、人と自然を主体と客体と扱うという近代科学的アプローチは、観察者が観察対象に影響を与える量子力学の登場により絶対的ではないことが明らかになっています。
地球と調和した繁栄と多元的な文明を育むために、国際組織プラネタリーヘルス・アライアンスのサンパウロ宣言においては、古代の教えや叡智を受け入れ、先住民や宗教的洞察にも光を当てることが提案されています。私たちは、既存の近代科学的フレームワークにとらわれず、現象を観察し、日本古来から先人たちが持つ自然観や生命観、哲学的アプローチを踏まえながら、フレームを超え、プラネタリーヘルスを達成するための統合科学を構築していきたいと考えています。

哲学と精神性


長崎大学翻訳「プラネタリーヘルスに関するサンパウロ宣言」

人類の活動のあらゆる側面に関わる実務家、学者、政策立案者が協力しなければなりま
せん。先住民、信仰の伝統、芸術家、起業家、科学者など、あらゆるコミュニティの声に耳を
傾け、それを統合し、声を大きくすることが必要です。（抜粋）

・・・

科学的アプローチだけでなく、古代の教えや叡智を受け入れ、膠着したフレームを拡げることが提案されています。多くの人々が感じている尊敬と畏敬の念をもって、自然と私たちとの関係に再び投資するように人々を導き、地球上のすべての生命を守ることの道徳的な側面を強調してください。プラネタリーヘルスに関する教育、訓練、関与、行動のために、宗教的あるいは信仰にかかわる機関を活用してください。（抜粋）

研究者の方へ–
プラネタリーヘルスに焦点を当てた研究、政策、実践について情報を提供し、運用するた
めの超学的な活動を始めるか、あるいはそういう活動に参加してください。その際、あら
ゆる知識獲得の方法と背景とを踏まえ、課題解決をめざした問題設定と応用可能性を重視
してください。（抜粋）

目に見えない領域を科学する

目を開けば、世界はバラバラに見えますが、土の中のネットワークや情報ネットワーク、人の心など普段目に見えない領域で、私たちはつながり合い絡み合っています。
視覚情報有意な人の認識やそれにとらわれた科学は、光を超える世界をないものとして扱ってきました。
しかし、認知領域と非認知領域を合わせて、世界は全体性であり、私たちはこの領域を無視することはできません。むしろ、この目に見えない領域にこそ、真の豊かさやつながりがあり、この目に見える世界の課題を解決する答えがあると考えます。
哲学、宗教、そして科学は、いずれも人がこの世界の真理に辿り着きたいという飽くなき好奇心と欲求です。古来の先人たち、哲学者たちが洞察していた世界観には共通項があり、最新科学が追い求める大統一理論はその領域に迫ろうとしています。

世界のアンバランスの原因となった辺境な近代科学的フレームを超えた統合科学を構築し、世界の本質に迫り、プラネタリーヘルス達成の礎としていきます。

分野を超えた各セクターの皆様のご参画をお待ちしております。

研究テーマ

以下のような研究をテーマとしていきます。

哲学と精神性
農食歯医連携
越境人材育成


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