人口最小かつGDP最下位の鳥取県の人口最小の町・江府町。
人口減少、就農人口減少、耕作放棄地の増加、里山の劣化等、地方が抱える多様な問題が顕在化していますが、小さな自治体だからこそ、スピード感を持って動くことができるメリットがあります。


2022年11月に、PHI代表理事である桐村里紗が代表取締役を務める天籟(株)と自治体において本邦初である「プラネタリーヘルスの推進にかかる連携協定」を締結し、また、2024年2月には、(一社)PHIの前身となる、(公財)JAHI・PHIが同町と連携協定を結び、江府町を拠点にした大山-出雲エリアの日野川斐伊川流域のプラネタリーヘルスモデルをつくることを掲げて実証実験や社会実装を進めてきました。
国内で初の自治体を挙げた実践事例であり、国際的にも先進事例です。
奥山・里山を守り、再生することにより、人のウェルビーイング、環境、防災、食料安全保障、教育、観光、文化など多面的な価値があります。
これまでGDPでは評価されてこなかった自然資本やウェルビーイング、また人の道徳を評価する、ネイチャーポジティブ経済を踏まえた地球道徳経済圏の構築を通した地方創生2.0のモデル化を図っていきます。
町の有休施設であるせせらぎ公園を拠点に、人が関わることで人と地域、地球が再生し続けることに取り組んでいます。地球道徳を積むことができる各種再生プロジェクトを推進しています。
食べられる協生農園
SONYコンピュータサイエンス研究所の指導により、拡張生態系を構築する実証実験を行なっています。無農薬無施肥不耕起かつ多種多様な品種を一気に混成密生させる方法で100種類以上の品種を同時に育て生物多様性を高めています。種まきや苗植え、収穫体験ができます。プログラムでは収穫したての作物を使ったスペシャルランチも食べられます。


土中環境から水源再生
藪化して誰も近寄れなくなっていた、かつての大切な水源をNPO法人地球守の指導によって環境土木の手法を使って再生しています。藁や落ち葉、炭などの有機物と石を活用し、微生物の力によって、水を育む土中環境を回復し、水と風が流れ、温かな光が射す場には、渡り鳥も遊びにきます。生命の源である水源再生は現在進行形です。
水からグリーンエネルギー
水の町・江府町の自然資本と言えば、奥大山が育む豊かな水です。水を育む環境を守り、再生しながら、生態系サービスとして水からエネルギーを生み出す水力発電が行われてきました。貝田集落の壊れた水車を再生しマイクロ水力発電を行っています。さらに水素社会を見越して、グリーン水素の生産を行い、暮らしや農業、防災にも活用する未来を描いています。


プラネタリーヘルスツーリズム
2023年春より、江府町とプラネタリーヘルスイニシアティブとの連携を行いながら、天籟(株)と一般社団法人Bisui Daisenは、江府町を含む大山流域でのプラネタリーヘルス・ツーリズム、企業研修を展開してきました。(PRtimes)
詳しくは、プラネタリーヘルスツーリズムへ。


プラネタリーヘルス的郷土料理
プラネタリーヘルス・ダイエットをこの土地流にアレンジしながら、心も体も地球も喜ぶ食事を提供しています。海底湧水でつくった塩を使った羽釜ごはんや特製のごはんのお供、こだわりの味噌、ジビエ鍋など、忘れられない食体験を世界中から淀江に渡来する集まるゲストに提供しています。道の駅・奥大山では「奥大山地球カレー」が食べられます。
2025年からは、企業や大学、研究機関との連携をもとに、都市から江府町への人の流れをつくり、関係人口、就農人口増加のきっかけとなる地球道徳経済の基盤づくりの実証実験を進めていきます。

出雲流域積層絵圖 produced by 文脈デザイン研究所「出雲流域積層絵圖ができるまで」
この土地の歴史文化、気候風土に基づいたプラネタリーヘルスとは何か?を問いに、フィールドワークを積み重ね、1つの曼荼羅をつくりました。
各地の各山、各流域にそれぞれの土地のユニークな曼荼羅が立ち現れてくることを描いています。