
プラネタリーヘルスを真に理解し、実践するためには、要素や局所だけの洞察では理解ができません。
絡み合い動的に動き続けている全体を統合的に捉える地球巨視的視座が必要です。
従来の教育は、知識伝達型・学力偏重であり、自然・身体・感性といった多元的知性の涵養が不十分でした。
今後求められるのは、知識に加えて『叡智(wisdom)』、すなわち、身体性を伴った統合知性、生命への共感力、自然とのつながりを含んだ統合的な人間力の教育です。
さらに、近代的な普遍主義(universalism)によってコピー&ペーストすることで失われたローカル性を重視し、「風土(fudo)」=地形、気候、生態系、文化、暮らし、精神性が溶け合った土地の記憶に基づき、感性・身体知・知恵を再発見し、現代的文脈で再構築することが重要です。
こうした考えから、私たちは、リベラルアーツ教育を『Wisdom-based Holistic Liberal Arts』へと拡張し、風土知(Fudology)と統合することを提案します。

Wisdom-based Holistic Liberal Artsとは:統合的な学問体系であるリベラルアーツを拡張し、知識を積み上げるのではなく、自然と身体を通して叡智を育む教育です。
知性(intelligence)だけでなく、伝統的に伝わる地域の知恵、身体を使った身体知による体得を重視した統合的な学び。地球巨視的視座の獲得によって、人という概念が拡張することで、人の在り方(Being)を育み、生き方(Doing)を通して世界を変える人材を育てます。
Fudology(風土知の学)とは:「風土(fudo)」=地形、気候、生態系、文化、暮らし、精神性が溶け合った土地の記憶と「-logy」=学問、知の体系を掛け合わせた造語です。
フィールドワーク
PHIでは、あらゆる知の体系を統合した統合知性を基に、想像力と創造力を発揮し、座学だけでなく、フィールドにおける身体知を使った実学を重視します。各地の現場に足を運びます。
各地の歴史文化気候風土を身体を使って感得し、素晴らしい土壌づくりに取り組む農園、環境再生の現場、現場において身体で感じ、観察し、体験、体感することが必須です。
私たちは、地球巨視的視座をもとに、科学、技術、社会を再定義し、プラネタリーヘルスを推進していきます。
プラネタリーヘルスツーリズム
身体知性を高めるプログラムとしてプラネタリーヘルスツーリズムを開催。
講座
各種講座をご案内します。
『和食人類学』を読み解く講座
文化人類学的に食を深掘り続けてきた文脈デザイン研究所の玉利康延氏が、
ライフワークとして取り組む、食のクロニクル『和食人類学』の第1章「01 和食の道」をついにリリースしました。
プラネタリーヘルスにおいて人を含む地球の未来に持続可能な食文化を考えるにあたり、食による人と社会、環境へのインパクトを考えるだけでなく、『和食人類学』的視座を持ち、深めることが不可欠だと考えています。
今後、和食人類学×幸福学=『和食人類幸福学』として、和食が人類にもたらす幸福とは何か?また、未来に残したい和食文化とは何かを多様な立場の専門家と考え、未来を示していきます。