医療従事者のためのアグリデントメディスン@小淵沢女神の森

2025年11月1日〜2日、女神の森ライフスタイル研究所主催、一社)PHI後援にて開催の「医療従事者のためのアグリデントメディスン農食歯医連携〜実践フィールドワーク&メディカルリトリート作戦会議」が、感動と感涙のうちに終了しました。

プラネタリーヘルスの理念のもと、その実践フレームとしてのアグリデントメディスン(農食歯医連携)を身体で体得し、実践を進めるために、医師・歯科医師・看護師・栄養士・カウンセラー等の医療従事者が、白衣を脱いで診察室を出て、オーガニック農業の実践者から微生物が豊かな農地での収穫や土づくり、環境再生医でPHI理事でもあるドクター石黒伸から環境再生を学びながら、八ヶ岳の麓・小淵沢の女神の森のフィールドを活用したリトリートを具体的に構築していく1泊2日の作戦会議を行いました。

土中環境を再生する土木による森の水脈再生では、落ち葉を処方して「地球のスキンケア」、雑木杭を打って「地球の血流改善」
アグリデントメディスン、プラネタリーヘルスにとって、流域の再生は必須のリテラシーであり、作法です。

小規模多品種、植物性堆肥で長年土づくりをしているレインボーファームで「地球の腸活」を。

女神の森のレインボーファームを管理する山野洋輝さんが真剣に土地と微生物と向き合いながら育ててきた畑は、人の腸内環境を育むことと同じ。普段、人と向き合ってきた医療従事者だからこそ、環境の観察をすると、生命の構造、システムは、一貫しているのだといち早く気がつきます。

今回の主目的の1つは、普段室内でデスクワークをして土日は研究会にこもっている医療従事者たちの身体知を取り戻すこと。
手ではなく、四つん這いでワイルドに春菊にかぶりつくと「不思議と味が違う!」
これは、SONYコンピュータサイエンス研究所『拡張生態系』(祥伝社)※新著発売おめでとうございます!
研究者の舩橋真俊博士直伝の食べ方です。
このワイルドな食べ方で、野生の本能を取り戻すと同時に、味覚が、五感と脳によって作られていることが体感できます。


プラネタリーヘルスダイニング「奏樹」では、レインボーファームの野菜プレートが食べられます。

土付き人参を収穫して、そのまま、農場で朝ごはん。

作戦会議では、クリニックとの連携やこれからの実践についての尽きない議論が繰り広げられました。

最後は、”恒例”の「変態ばんざーい」三唱で、涙と笑いの中で締めくくりました。
女神の森には、素晴らしい施設とフィールド、八ヶ岳山麓の環境が揃っており、都内からもイージーアクセスです。
来年から、具体的なプラネタリーヘルス・リトリートをスタートしていく予定で、議論を続けていきます。

今回、複数の参加者から「自分の使命に気づいた」という声をいただきました。
医療従事者を志す者は、人の健康を真剣に考え、それを実現したいと願いながら日々診療と向き合っています。
でも、既存の医療システムの中で限界を感じたり、また、どれだけ治療しても社会システムの中で繰り返し病気になる人たちを目の当たりにして、日々悩み奮闘しています。
純粋であればあるほど、真剣に向き合えば向き合うほどに、無力感に苛まれます。
プラネタリーヘルスというフレームワークによって、問題の根本にアクセスし、具体的なアクションを提示すると「自分にもできることがある!」「解決策がある!」という気づきが生まれ、自信を回復します。
そして、同じ想いを共有する仲間がいる。これほど心強いことはありません。
私自身、医療の業界の中ではなかなか通じ合うことが難しいと感じていましたが、今回、熱量を持った医療従事者が集まり、思いを共有し、涙し、語り合う姿を目の当たりにして、ようやくこの業界が開かれていくことを感じました。
それは、石黒先生も同じだったようです。
農業に従事してきた山野さんにとっては、医療従事者がこんなにも真剣に山野さんの話を聞き、涙するのだということが新鮮だったようです。

農ー食ー歯ー医の連携が、強固になり、これからの展開が楽しみな1泊2日でした。

主催いただいた、女神の森ライフスタイル研究所関係者の皆様、ホスピタリティ溢れる運営をありがとうございました。
講師の石黒伸先生、山野洋輝さん、素晴らしい実践ガイドをありがとうございました。
橋本紘子さん、大庭朗子さん、サポート頂きありがとうございました。

これからの展開、乞うご期待!(つづく)

文)桐村里紗

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